2014-01-19 Garage EDEN Blog


「 ひとつという想い - 1月の旅 その2- 」












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いつもの仮設へ着いた。
いつもの場所といつも迎えてくれるお母さんたち。

「寒いでしょう〜まずはお茶でも飲みな」って言って、ミシンを車から降ろすまで
30分くらい近況のことや他愛もない話をしてた。この時間は俺んたにとって至福の
時でもある。
その後イタウと2人でミシンを降ろして設置した。
今回どうしてもイタウを同行させたのはこの為でもあった。
俺の折れた肋骨では重たいミシンを運ぶのが少し辛かったし、(結局運んだけどね)
設置に当たって俺自身はミシンなどの知識があまりないから、一応だけれど服飾の
学校を卒業もしていて、うちの生産の管理もやっているイタウにミシン本体を設置
して欲しかった。

けれどもここで、まさかの人が偶然仮設を訪れてくれたんだ。







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自分で言うのもおかしいけど俺ってある意味では持ってるなって思う瞬間でもある。

少しだけ離れた街に居て、普段からお母さんたちの家庭用のミシンのアフターや修理
をやって下さっている「ミシン職人」さんがこのタイミングで仮設にお茶を飲みに遊
びに来てくれた。

どんなタイミングなんだよって思ったね。

おじさんはミシンを見るなり「懐かしいミシンだ、どうしたの?」って。
お母さんたちに代わって俺がことの経緯を説明する。
その後でINOMATAさんからは2年程前に1度リペアしてあるという旨も伝えてから
『一応さらっと診てもらえますかね?』と尋ねた。

もちろん、もちろんと言っておじさんはミシンの最終の設置もしながら仮縫いをした
りして様々な部分のチェックを始めた。

「うん、古いからね少し手直しはした方がより元気になるけど一生使えるミシンだよ
 これは。しかし懐かしいなぁ。昔のことを思い出すね。任せておいて」

そう言ってくれた。

翌日別の仮設に居る熟練のお母さんのところへ行ってから知ったのだけれど、このお
じさんはこの辺りではピカイチのお直し屋さんで、そのお母さんはもう何十年も付き
合いのあるおじさんだから安心だよって言っていた。
大きな街ではないから色々な人はいろんな場所で密に手を取り合って繋がっている。
そういうことを実感してうれしく思ったし、そういう縁の中で偶然にもおじさんがこ
の日のこの時間に遊びに来てくれたことになにがしかの運命すら感じた。

INOMATAさんに頂いた大量の糸もお母さんたちへと手渡した。
お母さんはそれらの糸を見て、「うれしい!沢山あればやっぱり助かります。あ、こ
れは〇〇番手だね?これは◯番だ。」と言った。

糸には様々な太さや素材がある。先にも書いたけど、縫うモノによって糸も替えなく
ていけないから様々な種類があるのだけれどそれは糸という細いモノの中で見分けを
つけるのは簡単ではない。それを見てすぐに番手の太さなどが分かるってことに正直
驚いた。この2年と少しの間ミシンを触り続けてきて成長している姿を知った部分で
もあるし、本当の意味でのやる気があることややり甲斐へと変わってきていることを
感じたことでもあった。

ミシンの設置のあとこの日俺はこれからのことについてお母さんたちに想いをぶつけ
るつもりでいた。

「より今までよりも本気で取組む気はあるか?」「これからこのミシンを使ってのお
仕事というものをいつまで続ける気があるのか?」

もちろんこれからも日々生活は変わっていく。行政でも変わるだろうし、なにがある
かは分からないけれど「今」のお母さんたちの気持ちを知っておきたかった。それを
電話ではなくてやっぱり目を見て、顔を見て直に聞きたいと思っていた。
でも、それは俺から投掛けるよりも先にお母さんたちが言ってくれた。

「あのねウラノさん(時に俺はウラノさんだったりカリントウさん(会社名)で呼ば
 れる)私たちこれからもこのミシンの仕事を続けていきたいと思ってるのよ。それ
 でね、これからはもっと品質だとかデザインだとかそういうモノへもこだわってい
 きたいと思う、けど私たちはそれをどうして良いのか分からない。特にデザインな
 んて分からないしね。もしウラノさんが嫌でなくて負担でなければそういうことも
 助けてもらえないかしら?」って。

本気で、本当に続けるつもりなんだなって思ったしそれを感じた。

俺は言った。

『もちろん、俺はずっと通いますからやらせてください』って。

それから数時間俺も今回来るまでに自分なりに練っていたイメージや具体的な考えを
話させてもらった。南三陸という街に常駐はしてあげることは出来ないから、それで
いて出来ることの考えやうちの販路だけでは狭いことも伝えて、うちだけでなくこの
お母さんたちをサポートして下さっている方々、団体ともうまくやれるようにしてい
きたいという旨も伝えた。

お母さんたちは分かっています。
もう復興や支援という言葉や想いが薄れていっていることを。
その言葉だけでは少しづつモノが動かなくなっていっていることを。

当たり前だけど俺は続けるし、想いを持って続けてくれる人はいる。けれどもその絶
対数は確実に減っていくこと。そしてお母さんたちもこの2年以上このミシンという
ものを通じてモノを作ってきたけれど、ここから先はこれはより「仕事」という意味
合いを持って復興や支援、そして被災者という言葉がなくても欲しがってもらえるモ
ノ作りへと変わっていかないといけないという事実に向き合っていこうとしています。
もちろんまだまだ慣れない手つきだし熟練工とう訳にはいかない。でもきっといつの
日か技術は高まるし、出来ることの中からそれが向上していけばいいと俺は考えます。

俺に出来ることなんか相変わらず狭くてちいさなことかもしれない。
けれど、こうして声をかけてもらえるようにはなった。
だったら俺に出来ることの全部をぶつけてみようと。
今はそんな風に思っています。



今日も長くなってしまったので続きはまた明日。
早いもので今日から春の新作がリリースされます。
まずはジャケットとそのセットアップのパンツから。
あとはカーディガンとかアームウォーマー。季節を問わず使えるモノばかりです。
体調不良だとかいろいろで少しリズムが押してしまっていて、紹介が少し遅れますが
良かったらFAMILY SHOP様からチェックしてみて下さい。
HPのスタイル写真も今日から更新になりますので良かったら見てみて下さい。

今日も遊びに来てくれてありがとう。
俺はオレの旅を続けます。

古びたエンジニアブーツと擦切れたブーツカットを穿いたまま俺は旅を続ける。





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