2015080601

「 やりたいことをやること、捨てること(九州鹿児島屋久島の話編2) 」

2015080602


< 屋久杉ってもんを見たかった >

さて、旅の話の続きです。(また間が開いてしまったね)

今までの旅の話はカテゴリーにある「むかし話」にまとまっています。


屋久島には屋久杉ってのがあってそれはすごく有名な杉の木です。樹齢年数が壮絶で1000年を越えるものが沢山あったりします。宮崎駿さんのアニメ映画の「もののけ姫」の舞台としても描かれた場所だと聞いていた。

登山道の入り口まではタクシーで40分。
そして登山道の入り口から目指す縄文杉までは徒歩で往復で10時間(片道5時間)

良いマップがあったので記載 >>> 屋久島登山道マップ

まさしくここに載っている「安房」というところからスタートした。

・・・

ここまで来てタクシーに乗るのも嫌だったので、この登山道の入り口までも自転車で行った。とは言え登山道に繋がる山道、峠道なので自転車から降りて押して歩いて登った。ひたすらにひたすらに。。。
出発前におおよその計算をざっくりした感じだと登山道の入り口まで丸1日だなぁと思った。縄文杉まで往復で10時間ってことは朝イチに登山道の入り口を出発しても丸1日なのでほぼ2泊3日のスケジュールをたった1人山の中で過ごすってことだと。

まぁ食事の採り方は今とロクに変わっていなかったので、数日なにも食べなくてもあまり気にならないけど、万が一のことを考えて一応麓のホームセンターでチョコレート(普段食べないけど)を緊急用に買って、あとはパンを少し。それだけ持って乗り込んだ。

初日は思った通り登山道の入り口までで午後になった。
登山道には沢山の猿が居た。
麓で聞いた時に「猿が結構人に慣れていて、それでいてそれは悪い意味でも慣れているから気をつけなさい。睨みつけるようにして行くんだよ」って教わった。

屋久杉を見る為に屋久島には多くの観光客が来る。そしてそういった人たちからおやつや食べ物をもらったりしている猿たちはそれに味をしめて人を見ると寄ってきたりもするらしいが、時には人を襲うように食べ物目当てで向かってきたりもするということだった。

『まぁ、猿に殺されるこたぁ〜ないだろう』ってくらいの気持ちで登り始めた。

しかし、

・・・おいおい。

・・・それはちょっとたくさん居過ぎでしょ!!!

途中の道、びっちりびっしりって程のおさるさん・・・。
もうね、おさるさんの行列って感じ。(笑)

さすがにちょっと恐い。


とりあえず麓で教わったように思いっきりガン飛ばしながら睨みつけて汗だくで登った。


横をすり抜けるタクシーやレンタカーの車の人たちは自転車を押して山道を登る俺をちょっと不思議そうに見ていたなぁ。
なんとかこうにかとりあえず登山道の入り口まで登り切って、適当な場所にテントを張って横になった。真っ暗闇の山の中での1人のテントは普通は恐いものだろうけど、さすがに旅を続けていればそれもある意味日常に変わっていた。翌日は往復10時間の登山が待っている。すでに疲れ切っていた俺は早めに寝ることにした。ま、することもないしね。

深夜に「コツコツコツ・・・」という明らかなヒヅメの音で目を覚ました。枕元側の付近から音がする。もちろん深夜の山中は明かりを点けないとなにも見えない。テントの内側にある入り口のファスナーさえも見えない。なんとかファスナーを探し当ててそっとそれを開けてみるとそこには・・・「鹿!!!」

屋久島はお猿さん(屋久猿)と鹿さん(屋久鹿)が沢山居る島らしいのだ。

うーん。。。

まぁ鹿も俺を食べたりはしないだろうなって思って、またそっとファスナーを閉めてそのまま寝た。(笑)
早朝に起きて出発の準備をしていたら野良犬も居たりしてさ。

予定通りに縄文杉を見るコースをひたすら歩く。
登山用のリュックとかは持っていないので、自転車につけていた荷物のバックを適当にゴムとかで縛ってそれをリュックの代わりにして非常食を入れて登った。
屋久島は「一ヶ月のうちの35日雨が降る」と言われているらしい。30日越えじゃん!ってね。特に山の中では1日のうちに雨が何度も降るような。そんな場所だった。往復の間ずっとカッパを着ていたのを憶えているし、縄文杉に着いた時にもそうだった。ただ、鬱蒼とした雨の中で見るその姿はやはり一種の神々しさに包まれて、この世界に人外の力が存在することを信じざるを得ないような光景だった。

真夏にも関わらず山の中は標高と雨のせいで随分と寒かった。

全身ずぶ濡れになって、足下は泥でグチャグチャになって下山をした。
不思議なことに登山道の入り口に戻るとそこには雨が降った様子は少しもなく、自転車も乾いたままだった。

下山したのは夕方でここからの帰り道は来る時がずっと上りだったので単純に下りのみとなる。そう思えばその日のうちに麓までも下山することは出来たのだけれど、なんとなくそのまま前の日と同じ場所にテントを広げた。一昨日に買ったパンは当たり前だけどもう尽きていた。チョコレートはあんまり好きじゃない。面倒だからそのまま寝た。出来るだけその山の中でもう少しだけ時間を過ごしたかったんだ。その日の夜も鹿さんが来たり、テントの外で猿の声が聞こえたりした。でも前日よりも疲れていた俺はそんな声も気にならず翌朝までぐっすりと寝た。

さらに翌日は下りだけの下山。
自転車に乗ってノリノリで下った。
途中でブレーキから煙が出るかなってくらいずっと下り。
そんで、まず目に入った食堂で飯を食べた。
さすがにお腹が空いていた。
それからその日は泥まみれの衣類が多過ぎたので適当に見つけた旅館に泊まった。
旅に出てからこの時点で1ヶ月以上が経っていたけど、宿に泊まったのはスタート3日目くらいに脱水を起こして飛び込んだ宿以来だったと思う。
洗濯をさせてもらい、久しぶりの畳の上で転がりながらテレビを見ていると画面の中のニュースで「竜巻が発生しました。(海上自衛隊からの映像ってテロップ)」って。

「ふーん」

ふと、窓の外を見る・・・。

「あれ?」

もう1度テレビを見る。

『鹿児島県屋久島付近』って書いてある。

もう1度窓の外を見る・・・。


・・・うん、アレだね。


ま、幸い旅館のあるこちらにはぶつからずだったんだけど、印象深い記憶として残っている。


まぁ長々と書いちゃったけど、旅をしてみて良かったのはこういった場所に行けたことや感じれたこと、触れられたことだったと思う。もちろん後にも先にもこんな長旅を出来たことはないけど。それでも若かったし当時だったから出来たことだと思っている。(もちろん本気になれば年齢はいつだって関係ないと思っているけどさ)

そして、旅はいよいよある意味でのクライマックスを迎える。

この竜巻を見た翌日に俺はある意味では竜巻の渦の中に入ることになる。
そう、ぐるぐるグルグルと。
それはまるでその風が引き起こした引力の中に吸い込まれるように。


(つづく)


- END ROLL -

今日も そしていつも遊びに来てくれてありがとう
 
俺はいつでも ここに居ます

- 古びたエンジニアブーツと擦切れたブーツカットを穿いたまま、俺は俺の旅を続ける -


 Garage EDENは予約制 とさせて頂いております。詳しくは ブログ 又は HP内説明 をご覧下さい。

 Garage EDENのアポイントメント、御意見や感想、質問などはお気軽にこちらからどうぞ>>> CONTACT

 今月の予定、最新ニュースやイベントなどに関してはこちらをご覧下さい>>> BLOG

※ 商品などのお問い合わせの際に一部のメールアドレスの方への返信が届いていないという不具合が出ております。迷惑メール等のフィルターによって届かないケースもあるようなので、メール後24時間以内に返信がない場合は大変お手数ですが再度メールを頂くかお電話にてお問い合わせをお願い致します。頂いたメールには100%必ず返信するようにしております。

------------------------------------------------------------------------------------------


THANKYOU for all my Sweet FAMILY and we are ONE FAMILY.

writing & photograph by JOHNNY BROWN

Garage EDEN " Thee Real Garage Select Shop "

Thee Old Circus // opera // YELLOW BUNNY // Old GT

// Daizzy and Luwez Carrol // and more...


Garage EDEN >>>
 WEB STORE


Tel // 03 6277 2947

e-mail // info@circus-hp.com


B102 EVIAN HIROH 2-32-23 EBISU SHIBUYA TOKYO JAPAN 150-0013


------------------------------------------------------------------------------------------