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「 こんな日(特別は3月10日というなんでもなかった日)だからこそいつも通りに洋服の話をしようと思う 」

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「ROT-9」という特殊で特別なパンツを徹底解説します




* まだ・・・疲れが抜けない(当たり前か)






当たり前だけど疲れが抜けない。
ぐったりだ。

今日は3月10日。

明日であの地震から6年。

そんな日の前日。


「なんでもなかった日」の前の日という特別な日。


そんな特別な日だから、それを大切に想いながら、噛み締めながら「普通の1日」を過ごそうと思う。

そう、「特別に大切なのは当たり前にある普通の毎日」だと思うから。



そんな風に俺は思っています。




* ROT-9 というパンツを徹底解説




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ベースはどちらも「ROT-9」と名付けたシルエットのパンツでロングレングスタイプとCS丈(7部)の2種類を春夏用に作りました。

ベースは一緒ですがもちろんロングレングスと7部では微妙にフィニッシュのシルエットはそれぞれ変えています。7部の方は膝下で終わりの丈なのでしっかりとタイトになるような感じにしていたりとね。

ROTという言葉は「朽ちる」とかそういう意味があります。
うちはどのコレクションも退廃さや朽ちた匂いを大切にしている。
技巧的である型紙構築や色々な細かいディティールなどを考えてはいるけれど、1番大切にしているのは「スタイルとしての匂い」の作り方。

それがみんなにどう映っているのかは自分自身では分かりようもないけれど、自分が作り出し生み出すアイテムたちの全ての根源はそういう世界観とその世界で生まれた物語から始まる。




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まず1番大きな特徴と特殊さを解説します。

本来パンツというのは前と後ろで大きく分けて型紙を作って、その前と後ろのパーツをパンツの外脇(ウエストの外側〜裾まで)と股下から続く内側(内股〜裾)で縫製します。お手持ちの多くのパンツの作りはきっとそういう風に作られていると思う。

で、このROT-9のパンツはその一般的な構築方法と大きく違っていてそれがこの上の写真で分かると思う。

本来外側の脇にある縫目が一切ありません。

俺のドローイング(落書き)から生まれた特殊なパターンです。




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脇での縫製をせずに生地をこんな解説のようにぐるりと縫製させてわざと不自然な湾曲から生み出した立体構造で作られています。

全体の丸みとカーブをを残しながらも各所の型紙のカッティングでシャープさを残し、さらに無骨さをちゃんと出す為に膝の部分には立体のタックも入れている。


本来の「当たり前」の作り方を大切に考えながらその枠からはみ出して時に「それ以上」を求めて作ってみる。そういう自分なりの想いも込めて作ったパンツです。

・・・まぁ工場さん職人さんはメチャメチャに嫌がる仕事ですけどね(笑)

だってセオリーから外れることは流れとしてやりづらいモノだもんね。。。




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フロントはボタンフライ式でボタンにはオリジナルの金属錆加工ボタン。
このROTの意味が持つ朽ちるという匂いをボタンと生地などで生み出してもいく。

本当に細かいけれど、ベルトのループもわざと下の部分を裁ち切りにして縫製をして、それを製品として一度完成させてから洗い込みを掛けることでそれがいい感じに荒く糸が出てきてこれも朽ちた匂いの演出に一役買ってくれる。




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生地はハイパワーのキックバック(生地が伸びて戻るチカラ)を持った鈍い光沢を持つサテンのストレッチ。春夏にしっかりと穿いてもらえるように生地自体は分厚くないのにコシが抜群に強いのでさらりとした感じで「薄さを感じるのに決して『弱さを感じない』特殊な感じになっている」これは実際に触ってもらってみんなに言ってもらえていること。

狙い通りで超嬉しい。

裾の部分だけはステッチをサイドに入れて全体の曲線を最後にまっすぐにさせて裾のシャープな流れを作っている。これは結構大切。




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手を突っ込みやすいサイドポケット。
こういう部分も絶対大切。
パンツはその日1日中ずっと穿いたままに付き合いモノだからこういう当たり前の部分がとても気持ちよく穿けるかどうかの境界線にもなると思う。




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・・・黒だと正直ディティールが見えないですな。

まぁ、それだけ深い色目の黒ってことではありますが。。。参考までに。




CS丈(7部)も基本的なディティールは一緒です。






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着用だとこんな感じ。

良い意味で穿いた時には大きな特殊性は分からないと思います。

でも、穿き心地やこの股上の独特の深さなどは実際に穿くと病みつきになって頂ける方が増えています。


あと、素材が持つ特殊なハイパワーのキックバックストレッチのおかげで下2枚の写真のように裾をたくし上げて穿いてもいい感じ。




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うーん、、、7部は夏には必須なパンツになりそうですな。

7部丈というこの絶妙な丈のバランス感と膝下とブーツまでの隙間が出来るバランスが良いです。


ここ最近うちのこの手の7部丈パンツやincarnation(インカネーション)のサルエル半パンなどの問い合せが増えていて、割と口を揃えて昔からのうちのFAMILY的には「前はこの手の丈って絶対穿けると思わなかったんだけどねぇ〜気になるんだよねぇ〜」って(笑)。

で、それに対しての俺の返答も

「お、俺もそうっす。。。」

的な。(爆)



良いと思ったら自分に正直にそれを取り入れる。

変えたくないことは変えない。

それで良いと思っています。


・・・あー、随分としっかり書いたな。

疲れた!

最後まで読んでもらえていたら嬉しいです。
そして気に入ったらぜひ買って下さいね。


今日紹介のパンツ


ROT-9 ロングレングスタイプ  >>>  7152 Old Name 「 MORNING SONG 」



ROT-9 7部丈タイプ  >>>  7151 Old Name 「 RUDO MELODY 」



ぜひWEB STOREでの紹介もご覧下さいな。




Text by.

THEE OLD CIRCUS & Garage EDEN / ウラノタカヒロ (Urano Takahiro)




「 いつも通りの END ROLL 」
 

1日3組だけの予約制の洋服屋「オートクチュール接客」=『Garage EDEN』

// ブーツカットにエンジニアブーツ、それにあとはただの白シャツ // それがうちのスタイル

THEE OLD CIRCUS(ジ・オールド・サーカス)& OLD GT(オールド・ジーティー)
+ ICARNATION(インカネーション form ITALY.)




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