2019011101



「 古びてゆく革との物語 」


「革」というものが好きでそれはずっと変わらない。

16歳頃のことそれが目に留まった時から不思議と心はそこに立ち止まったまま。

最初に買ったのはたぶん無名の古着のレザーブルゾンだったと思う。
いくつかの安い名前もないものをその後に買った。
田舎の小さな古着屋さんだったり、時々東京へも出てきて下北沢(当時は結構古着屋が多かったな)などへも行った。そのうち少しづつスタイルはミュージシャンに憧れるようになってきて、ライダースだとかテーラードの古着も買うようになった。
Schotto(ショット)やVANSON(バンソン)などのアメリカンなレザーやA.P.C(アーペーセー)などのフランスブランドのレディース(当時のメンズのデザインなんて直視できるようなデザインではなかったんだ)ものなどを着ていた。

細いパンツも好きで、だけれど自分の体型に合うメンズの細いパンツがなかなかなかったからAgnes-b(アニエスベー)などに行ってメンズのパンツを穿いたけどこれまた当時のインポートはリアルに外人さんのサイズだったのでサイズが合うものがなくて、レディースのフロアに行ってサイズを探して穿いたりしていたのが懐かしい。

16-20歳まではこんな感じ。

洋服だとかいう知識もロクになくてモノを探し回っていた頃。
それはそれで楽しかったけど、大切なことを知らずにいた。

大切なこと。

それは「スタイル」だと気づくのはこのあとのことだった。


何度か書いていることだけれど、20歳過ぎから1人で洋服屋の店長になった。
1人しかスタッフの居ない店だから、その1人が店長っていう店。
ある日倉庫で見つけたのはChippewa(チペワ_アメリカ)のデットストックのベージュスウェードのエンジニアブーツを偶然発見して箱の埃を払ってその中身を出して履いた時に洋服の概念が全て変わった。


そこには確かな「歴史」という「スタイル」があってブーツは俺のジャストサイズには大きすぎたし、良い意味でも作りの雑なアメリカのエンジニアブーツは歩くことにあまりにも適していなかったけれど、そのブーツの持つ匂いと格好良さはそのデメリットさえ意味を持たないほど特別なものだった。


エンジニアブーツの為の「スタイル」を作る。


それが自分自身の今の格好にも繋がるスタイルの原点になった。


「一生モノ」


そんな言葉があって「そんな言葉は幻想だよ」って言う人も居る。
でも、俺はこの言葉を信じている。
それはそのモノ自体を一生着続ける、穿き続ける、履き続けるという意味合い以上に心の中に留まる心の意味においての一生モノ。
例えば僕にとってのこのChippewaのエンジニアブーツはまさしく一生モノだし、初めて買ったSchottoのライダースブルゾンもそう。

心の在り方を変えてくれたそれらのアイテムは特別で履くことは無くなった今でも棚の上に大切に保管している。自分の心の指針であり羅針盤の針だから。



男にとって「モノ」とはそういうもので在って欲しいと僕は心から思う。




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年間にいくつもの絵を描いていくつものアイテムをリリースするし、仕入れもする。

絵を描く際には没頭していつまでも描くし、仕入れ(バイイング)の際にはジョンくんやイタウ部長も含めて3人でそのアイテムについてトコトン話し合う。ただ格好良いと思うだけを仕入れるのではなく、そのアイテムの必要性や不変性、さらにはFAMILYと呼ぶユーザーさまの顔を思い浮かべながら。

どのアイテムに対しても「心」を込めて。

作るものであっても、仕入れるものであってもそこには確かな自分たちらしい「MIND(マインド)」が注がれないのであればそこには意味をなさないと僕らは考えるからだ。





* 今日紹介するのは上記リンクのアイテム



自分にとってのSchottoのライダース(ちなみにその20年以上前に手に入れたライダースは今は僕の手元にはないけど、中学校の頃からの兄弟分が未だに俺の代わりに持って着てくれているんだ)のように誰かにとって同じような存在になってくれたら嬉しいよ。

もちろん、それは気持ちの上においてもね。

ある意味では僕の作るレザーの中では珍しく「着やすい」レザーアイテムに仕立てた作品。

大きな理由は「ずっと着てもらいたい」から。



ずっという意味には「永続的」「永遠的」「不変的」という意味。

そしてこの永続的な意味の中には春夏秋冬という1年の季節の単位の中でずっと永続的に着れるという意味合いが含まれている。



ディティールの詳細は上のリンクからWEB STOREで確認してもらいたけど(より詳細に書いているから)重厚な見た目からは相反する着用感の軽快さは革を薄手に削いでいることや、革を薄手にしても重厚感が残っているのは「そういう風に魅せる」為にオリジナルの革を作っていることなどを書いている。

無骨なこのブランドのスタイル、特性を持ったままライトで軽量な革のアイテムに仕立てることでインナーとしても、アウターとしても着れるようにした。そのことにより真夏以外の全ての季節で着ることが出来る。

つまりは1年中のほとんどの季節を革と共に「生きる」ことが出来るという意味においてとても意義と意味のあるアイテムに仕上がっているんだ。





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残念ながらその軽量感は写真では伝わりきらない。重厚に見えるレザーでありながら本当にインナーとしても着れるほどの重さに仕上げた。(遠方の方にはある意味では僕のこの偏見的な言葉を信じてもらう以外に他ないかもしれないが僕の言葉はきっとそれを裏切ることはないだろう)




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特徴的なデザインとしてはノーカラー(衿無し)のデザインであること。
1年中というコンセプトに基づいて無機質なデザインのアウトラインにこだわった。

衿を無くすことでインナーとしては着用の幅が大きく広がるし、アウターとしても着用の頻度が上がると思う。つまりはTシャツのように、カットソーのような感覚で着れるというのが最大の魅力であり、これを着続けることでより「革」というものを感じていって貰いたいというデザイナー側からの偏見的で独断的な押しつけのデザインでもあると言える。




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ファスナーにはYKKの最高峰ラインのEXCELA(エクセラ)を採用。

世界シェア45%、国内シェア95%(ちなみにririで世界シェアは7%と言われる)と日本が誇る世界的なファスナーメーカーの最高ラインのスライダーを採用したのは圧倒的な信頼とその美しさが理由。

最初に書いた通り「一生モノ」を謳う上で大切なことに着用後の「ケア」も含まれると僕は思う。

つまり、万が一ファスナーが経年変化、経年劣化(とは言えそれが起こるのはずっと先のことだとしても)により破損してもアフターのケアやリペアなどになるべく迅速に対応したいという心の在り方に準じた思いであると理解してもらえると嬉しい。

* 以前は時々スイス製のファスナーなども採用していたが、修理の際にスイスまで送らないといけないことなどでの金銭的な負担やなにより時間のロスは大きな障害にもなっていた。


引手の部分には最終の仕上げで手作業で革の引手を取り付ける。また鉛のプレートを補強用に巻きそこにブランドのナンバーラインである「9」のロゴを手打ちで打ち込んでこの作品は完成する。

革というアイテムでありそれはどこまでいってもアナログな世界で在るからその手作業の匂いをこういった細部までも残したいと考えてデザインのプロダクトを組んだ。




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裏地にはコットンをベースにしたウレタン入りのストレッチ素材を採用。

裏地自体にストレッチを入れることの理由は破損防止の為の採用が1番大きな理由であり、それは同時に着用のストレスを大きく軽減することにも繋がる。

車で言えば「内輪差」だったりするのだが、洋服において外装である表生地に比べて裏地はその表地に引っ張られることになるので裏地の生地分量というのはその引っ張りに耐えれるよう通常から生地の分量を大きく取ることになっている。それでもどうしても裏地には負荷が掛かることがあるので時になにかのきっかけで裏地が裂けたり、縫い目が割れることが起こることがある。(主には経年劣化によって起こることが多い)ストレッチ入りにすることでそういった負荷の力を逃がす作用も持つために破損の防止にも繋がる。

もちろん全てにおいて完璧であったり絶対はありえないが、その中で最大限の考えをもってそれを事前に防止することは長い着用においてはとても大切なことだとも思うのだ。

両胸にはスリット型の内ポケットを左右に1つづつ採用することで煙草+ライターやスマホなどをスッと差し込むことが出来る。こういった使い勝手の良さもまたデザインと呼ぶべき点だと考える。




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着用モデルはイタウ部長。(177cm 60kg Size_2)

衿の無いデザインだからライダースでもなく、ブルゾンでもなくといったデザイン。(=それはつまり逆説的にはライダースでもありブルゾンでもあるということ)

合わせたパンツは以下のリンク(着用サイズは2となります)





* ブーツも今シーズン(新シーズン)のラインナップですが後日入荷となります。




3月〜7月くらいの季節であればまさしくこのスタイルで完成されると思う。(8月とか9月の昼間はさすがに暑いと思うけど僕らのように単車乗りであればまさしく1年中着れるアイテムだと思うな)





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フルタンニンの仕上げのこの革の特徴は着用(それは試着だけでも)による深いシワの刻まれ方。

最初の肌触りはバリっとした質感だけれど、数時間〜数日着ただけで革の中に含まれるタンニンオイルが革の表面に馴染み始めて「バリっ → ギュっ」というという質感に大きく変化していく。

ちなみにこのバリっとする最初の質感になっている理由は仕上げのスプレーウォッシュを施すことで革を絞りあげて縮みを防止しているからだ。

内ポケットの位置も見てもらったら分かる通り使い勝手の良い箇所に配置されている。




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「今すぐ」(現在の1月や3月の上旬)であればこういったインナーとしての着用をオススメしたい。

これが採用されている革が重厚過ぎるとインナーとしては厚すぎる為にレイヤードがしずらいし、たぶんアウターのアームなどに通らなくなるだろう。しかしこの革の薄さであればニットに近い厚みの感覚なのでこういったレイヤード(重ね着)が可能になる。

これがこのレザーウェアの最大のメリットの部分であって、この着用感であれば本当の意味で1年を通じて着用をすることが出来るだろう。


アウターは以下のリンクをどうぞ







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* 撮影の為にフロントボタンを開けているけど、当然ボタン留めをしても問題なく着用が可能





長々と書いてきたけど如何でしたでしょうか?

少しだけ脱線の記事。

本当はもう数日前にこの記事をアップしようと思っていたのだけれど、パソコン(というよりはマウス)の調子が悪くなってしまって書きかけの記事のまま更新することが出来ずにいました。(汗)

仕事も私生活もこういった部分はどうしてもパソコン依存の生活になっているから困ったもんです。昨日の夜中まで掛かってようやく復旧したので今日この記事が書けました。(一安心)

また時間を見つけて記事を更新していくのでこれからもどうぞよろしく。




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「革」についての記事はなんだか楽しくて書きながらつい時間を忘れてしまう。

好きなもの、好きなこと、好きなスタイル。

それが自分たちにとっての変わることのない原点であり、伝え続けたいこと。

需要=供給ではなく、自分たちが思う「格好良い」= 「需要を生む」であれば良いなと思うし常にそれを目標の掲げてこの店というものをやっていると思っています。

つまりは完全なマイノリティ(少数派)の世界の住人でありその住人仲間を求めて旅を続けているようなものだと思っています。皆さんにとっても少数派だからこそ分かり合える、感じ合える、共感、共有し合える場所がこの僕らの店であれば嬉しいなと心から思っています。そういう意味でもどんな些細なことでも御質問などがあればぜひお気軽にお声掛け頂ければ幸いです。




Text by.

Thee OLD CIRCUS & Garage EDEN / ウラノタカヒロ (Urano Takahiro)


                                      

「オートクチュール接客」=『Garage EDEN』

// ブーツカットにエンジニアブーツ、それにあとはただの白シャツ // それがうちのスタイル

Thee OLD CIRCUS(ジ・オールド・サーカス)& Old GT(オールド・ジーティー)
+ incarnation(インカネーション form ITALY.)

                                      

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